カワサキの名車、Z1にはZ900LTDというアメリカンモデルが存在した。Z1の再来と言われるGPZ900Rにも、Z900LTDの後継車が必要であった。カワサキのデザイナーは、半年間のアメリカでのマーケティングリサーチの結果、『アメリカのクレージーさは、ドラッグレースしかない!』と判断した。ただ速く、真っ直ぐに走ることのみの為に与えられたロングホイールベース、チューンナップされたエンジンパワーを確実に路面に伝える為に装備される異様に幅の広いリアタイヤ。ZL900は、そのイメージだけでなく、走りもまた豪快なドラッグマシンを彷彿させる。エンジンは、先に発売されたGPZ900Rの水冷直列4気筒エンジンをベースに、排気系に手を入れることにより、ピークパワーを900Rより10馬力低い105PS/9500rpmとし、中低速トルクを重視した、いかにもドラッグレーサー的な性格を与えられている。同時にミッションもローギアード化され、最高速の伸びよりも加速重視とされている。ZL900のカタログは、ポルシェと加速競争するシーンでその性能をアピールしている。ちなみにゼロヨンは、11.02秒と俊足だった。
エリミネーターは俗に言う不人気車、マイナー車の部類に入る。
自分はエリミを2台の名車の影の存在だと考えている。1台はGPZ900R、もう1台はV-MAX。
同型式の心臓を積むGPZ900Rはカワサキ水冷大排気量の起点でありカワサキの歴史に残る名車である。1984年の登場以来、3度のモデルチェンジを行いつい最近まで現行車として販売されていたロングセラーモデルである。
V−MAXはエリミと同じく1985年の登場でハーレーを模倣した和製アメリカンばかりの時代にドラッグレプリカという新ジャンルを開拓したヤマハの名車である。今では当たり前になってしまった145馬力という数値ではあるが、Vブーストによる加速感は現在でも圧倒的存在感を示している。
これら2台は誰もが知る日本のバイクの歴史に残る名車である。
両車共マイナーチェンジのみ基本的に発売当時の状態で20年近く販売され続け、今なお人気を保ち続けているのはカスタムパーツが豊富であるというのもポイントだろう。現在でもたくさんのショップから豊富なパーツが発売されており、カスタムの楽しさ、し易さも魅力の一つである。
一方エリミネーターは、1985年に初期型のZL900A1が登場し1986年、バッテリーチャージャーの強化を受けたZL900A2に変更。
1987年、GPZ1000RXのパワーユニットを搭載するZL1000が登場するが、エリミネーターの名は使われなかった。
結局、二輪の歴史の表舞台に出ることはなくわずか2年という短命で終わってしまう。
またカスタムパーツはほとんど発売されていない。エンジンはニンジャ系のパーツを使えばチューン可能だが、それ以外のパーツに関しては、基本的に流用、ワンオフが主流となってくる。
しかし、マイナーで専用パーツが少ないエリミネーターこそ管理人の天邪鬼魂を揺さぶるのだ。
エリミネーター=排除者、その名の通り二輪の歴史の表舞台から自らの存在すら排除している孤高の名車なのだ。